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【アラベスク】  第14章 kiss



すごく大雑把な [ あらすじ ]




  携帯の写真を見て感情が抑えられなくなった(さとし)と、そんな聡の行動を見て、これまた自分を抑えられなくなってしまった瑠駆真(るくま)。二人の行動に頭の混乱した美鶴(みつる)が学校をサボって歩いていると、霞流(かすばた)家の使用人である幸田(こうだ)に呼び止められる。気を利かせる幸田の言葉に甘えて霞流邸を訪ねた美鶴は、そこで意外な幸田の生い立ちを聞かされる。母への想いもサラリと口にする彼女の姿と比較して、霞流への気持ちを胸に隠してきた自分を恥かしく思い、自分の気持ちを聡と瑠駆真に伝えようと決意する美鶴。だが、それを聞かされて二人がおとなしく納得などするはずもない。
 折りしも季節はクリスマス。この機会を生かしてなんとか美鶴の気持ちを変えさせたい。だが下手に動けば逆に嫌われてしまうのではないかという不安から躊躇う聡と瑠駆真。不本意だが、今回は二人で手を組み美鶴と霞流が接近するのを阻止しようと試みる。
 一方、霞流邸でのクリスマスなのに霞流慎二(しんじ)と一緒に過ごせないなんて、と虚しくなる気持ちを奮い立たせて幸田たちと晩餐を共にしようとしていた美鶴は、突然の二人の乱入にびっくり。あれこれと散々抗議の言葉を並べつつ、だが結局は二人も交えての賑やかなクリスマスイブとなってしまう。
 強引な行動を強行する二人に、自分の気持ちは劣っているのかとうんざりしながら自宅へ戻るために駅へ向う美鶴と、並んで歩く聡と瑠駆真。クリスマスイブということもあって、大勢の人で混雑している駅前の交差点。その人混みの中で、瑠駆真は小童谷(ひじや)陽翔(はると)の姿を見かける。
 思いがけない瑠駆真の反撃に合い、寂しさを紛らわせるかのようにイブの夜を彷徨う陽翔は、交差点の向かいに立つ瑠駆真の姿に、亡くなった初子(はつこ)の姿を重ねる。思わず赤信号の交差点に飛び出してしまった陽翔。彼の命はどうなるのか? 美鶴と聡と瑠駆真、それぞれの恋の行方は?
 不安を抱えたまま年を越し、本格的な冬を迎えます。







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